Re: † ポケモンハンター 【NEO】 † ( No.6 )
日時: 2008/04/20 17:21
名前: 真珠
「それ,本当?」
「はい。」
「その…クレモナのエルレイド見てみたいんだけど…。」
「行ってみましょうか?でもあのクレモナさんがエルレイドを見せてくれますかねぇ…。」
ネオは,クレモナのエルレイドが自分のエルレイドか確かめたかった。本当に,自分のだったら…クレモナのことは絶対に許せないと思っていた。
本部の建物に入り,受付でクレモナの居場所を確かめる。
「今…任務中ですって…。」
「リノ,案内してっ…。」
「えっ…?遠いですよ?」
「どこ?」
「キッサキです…。」
何時間かかかったものの,キッサキに無事つくことができた。
「クレモナさんは,エイチ湖で伝説のポケモンの捜索中だそうです。」
「伝説のポケモン…?」
「名前とかは…分からないんですが,珍しいのだそうですよ。今詳しく生態を調べている所なのだそうです。」
「へぇ…あっ,あの人クレモナかな?どう,リノ。見える?」
「クレモナさんです!」
2人はしげみへ隠れる。クレモナの様子をうかがう。
クレモナはエイチ湖のほとりをしばらく歩き,小さな穴に入っていく。
5分後,穴からでてきた。表情から見ると,何の発見もなさそうだった。
そして,エルレイドをボールから出した…。そのボールは青紫色。普通のモンスターボールではないようだ。
エルレイドを見た瞬間,ネオは自分のエルレイドではないかと思った。そして,気になることが…。
「あのボール,何?」
「あれはですね,“PHボール”と言いまして,PHのパートナーポケモンを入れるボールです。あのボールにはいると,自分を捕まえた“PH”のことしか頭になくなります。“悪の心”が目覚めるボールです…。」
「え…」
(『自分を 捕まえた PHの ことしか 頭に ない …』じゃあエルレイドは私のことを忘れ,クレモナのことしか頭にないの?私のことを,すべて忘れてしまったの?悪の心を持ってしまったの…?)
「どうですか,ネオさん…。あなたの持っていたエルレイドでしたか?」
「たぶん,そんな感じがする。でも,もう少し調べてみないと…。」
「あのぅ,寒いし,もう本部に戻りません?ネオさん。」
「うん…。」
エルレイドは本当にクレモナのものになってしまったのかもしれない。確率は100%の内の83%ぐらい…。
エルレイドを盗ったのはPH。そして女。短い茶髪の髪の毛。クレモナと条件がぴったり合う…。
(ネオさんは…エルレイドを盗んだ犯人がクレモナさんだったらどうするつもりなのでしょうか…。)
「リノ。」
ネオは後ろに歩いているリノを振り返る。
「えっ,何ですか?」
リノは驚いた表情でネオを見る。
「聞いてなかったな,そういえばリノのこと。」
気づけば,本部前に到着していた…。
「あ…。」
ネオの部屋にリノを呼び,リノのことを教えてもらうことにした。
とりあえず,2人ともいすに腰掛けた。
「私は,研究員の中でも新人で…。研究員は,月に1回,研究品を発表するのですが,私はいつも締めきりに間に合わず,いつもヒンシュクを買っていたんです。それでさっきも研究長のルイスさんに怒られていたんです。私って,研究員向いていない…いっそ研究員やめちゃおうって思ってたとき,声をかけてくれたのが,メルさんなんです。」
「メル…?」
「メルさんは,私と同期の研究員で,私より実力がとっても上なんです。メルさんは,『今やめちゃったら,研究員になった意味がない』って言ってくれたんです。だから私は今も怒られながらも研究員を続けてるんですけど…。私って,思えば負け組ですよね。」
リノは悲しそうな顔をしながらも笑った。
「リノ,私の専属研究員になってよ!」
「えっ!?」
ネオはいきなり立ち上がって,リノに言った。
「私さ…,契約してくれる研究員がいるか,不安だった。でもリノなら…リノならきっと大丈夫だって確信したんだ。」
「でも,わたしはろくに研究品だって発明してないですし,ネオさんの研究員になったって,役に立たないと思います。」
「だって,“負け組”なんでしょ?」
「えっ…」
「私と一緒。私も前,話したでしょう?負け組だったって。」
「…でも…。」
リノは黙った。でも,
「ハイ!やってみましょう!よろしくおねがいします!!」
そうして契約書にサインを書く。
契約は成立した。
