icon PokemonChallengers -頂を目差して-

日時: 2012/09/11 01:43
名前: NiSi ◆y2eau8XC5Y
情報: 112-70-62-197f1.hyg2.eonet.ne.jp

 
 どうも、NiSi(ニシ)という者です。

 今回、初めてのポケモン小説を書きます!
と言うよりも二次創作自体が初めてなので、まだまだ未熟な点がたくさんあると思いますが、どうか温かい目で見守ってください(涙)お願いします。

 主にストーリーは、「ポケットモンスター HG SS」のストーリーと同じように進みますが、所々オリジナル要素を組み込んでいきたいと思います。(主人公はオリジナルでいきます!)

 
○キャラクター紹介○

 ジュン (男の子)

 この物語の主人公。兄はカントーポケモンリーグチャンピオンのシュウ。兄の行方不明や父親の転勤により、マサラタウンからワカバタウンに引っ越した。


 ミヅハ (女の子)

 コガネシティに住む都会っ子。ジムリーダーのアカネに憧れ、ポケモントレーナーを志す。


 ヒビキ (男の子 《HG・SSの男主人公》)

 ポケモントレーナー。ジュンの幼馴染。一才年上なので、ジュンから兄のように慕われている。


 コトネ (女の子 《HG・SSの女主人公》)

 ヒビキの同い年の幼馴染であり、ジュンの幼馴染。トレーナーズスクールでもらったマリルが相棒。ヒビキと共にチャンピオンリーグを目指す。


 ハルト (男の子 《HG・SSのライバル》)

 謎の少年。強さを求めてただひたすら戦い、ポケモンを兵器の様にこき使う。ロケット団をとても嫌っている。


 シュウ (男の子 《初代主人公》)

 ジュンの兄。カントーポケモンリーグチャンピオンだが、その後行方をくらませ、現在も行方不明。噂では聖なる山「シロガネ山」にいるとも・・・。



○目次○

 第1話「出会い」 その1
          その2

 第2話「旅立ち」 その1 

 
○インフォメーション○

 ほぼ一年ぶりの更新です!!
久々なので少し文体が変わってるかもしれません(汗)
読みにくいかもしれませんが、後々改善していきたいと思います!
 タイトルを変更しました!個人的にはこちらのほうがしっくりしてるのですが、・・・どうですかね? 
つくづくネーミングセンスの無さを痛感しております(涙) 
 あまり時間がとれず、この先も更新が不定期です(汗)
ですが、この小説は完結目指して頑張りたいので、応援よろしくお願いします!!




 ―この小説は、ゴンさん DOESさんから提供していただいたスレッドで執筆しています!―

 
 
メンテ

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Re: ポケモン15周年記念 ポケ小説大会( No.2 )

日時: 2011/04/22 23:50
名前: ゴン&DOES
情報: 61-27-150-25.rev.home.ne.jp

スペース2
メンテ

Re: Story of Pokemon -頂を目差して-( No.3 )

日時: 2011/12/24 12:57
名前: NiSi ◆y2eau8XC5Y
情報: 112-68-128-157f1.hyg2.eonet.ne.jp

 第1話 「出会い」―T


 「すごいや!!兄ちゃん、本当にチャンピオンになったんだね!?」
 「ああ、あのワタルさんに勝ったんだ。殿堂入りだってさ。」
 「うわああ!!殿堂入り!?兄ちゃんかっけー!!」
 「やめてくれよ。ジュン。なんか照れくさいだろ・・・。」
 「オレも、大きくなったら、兄ちゃんみたいにポケモントレーナーになって、チャンピオンになるんだ!!兄ちゃんと勝負するんだ!!」






 「オレ・・・兄ちゃ・・・に・・・って・・・・。」

 朝の風が、寝言を言う少年の髪をなでた。外から風車の回る音がかすかに聞こえる。
朝の太陽の日差しが窓から一直線に差し込み、少年の顔を照らす。
ポッポたちの羽ばたく羽音に、少年は目を覚ました。

 「あ・・・夢・・・か・・・。」

 少年―ジュンはそう呟いてベッドから起き上がった。
バサバサの髪を掻きながら、リビングへと階段を下りる。
下から、トーストと卵の焼ける匂いがする。

 「あら、おはよう。今日は早起きなのね。」

 母が笑顔であいさつをする。父は泊り掛けで仕事をしているため、めったに家に帰ってこない。家の用事はすべて母がやっている。
ジュンが小さい頃からその生活が続いたため、今では慣れたようで、いつも早起きしてジュンの朝食を作ってくれる。

 「おはよ。母さん。おなか空いたや。」

 いつものようにジュンは言う。母はそれを聞いて、うれしそうに頷く。

 「はいはい。もう少しで出来るから。もうちょっと待っててね。」





 ほぼ常に風が吹く町、ワカバタウン。
風といっても強烈な風ではなく、軽く髪がなびく程度の風で、その風を利用して電力を作り、電気をともす。
そのためこの町の民家には、必ず1つは風車が備え付けてある。
小さいながらも、人とのつながりを感じることの出来る素敵な町だ。

 「おう!ジュン! おはよう!」

 近所のおじさんが気軽にあいさつをしてくる。
ジュンもまたあいさつを返し、話をしようと歩み寄った。

 「おはよう おじさん。今日もいい天気だね。」
 「ああ、そうだなあ。 これからどこ行くんだい?」
 「・・・? いや。別に・・?」

 おじさんはそうかと頷き、いや、悪気は無い。と手を振った。

 「ウツギ博士が新しいポケモン見つけたって知ってるか?」
 「ポケ・・モン・・?」
 「おう。何でもとても珍しいポケモンらしいぞ。ポケモンの進化を研究してるウツギ博士もそのポケモンを進化させてくれているトレーナーを探しているらしいぞ。」
 「トレーナー・・・。」

 ジュンはふと顔を下げて呟いた。おじさんが少し心配して下から顔をのぞ覗き込む。
ジュンが慌てて顔を上げる。

 「あ!ははは・・・すいません。 それじゃ!!」

 ジュンは笑顔でそう言い、研究所へと走って行った。
おじさんは最後まで心配しながらジュンを見送った。





 「お。ジュンか。お前も来たのか?」

 ヒビキはそう言って。後ろからジュンの肩をバシンと叩いた。
 ヒビキはジュンの1つ上の幼馴染。いつも黒と黄色のラインの入った帽子を逆に被っている。今日も変わらず同じように帽子を被っていた。

 「あ・・・ヒビキ兄ぃ。」
 「どうした?中に入ろうぜ。ポケモン貰いに来たんだろ?」
「え・・・兄ぃも・・・?」
 「ああ。初めてのポケモンだぜ?コトネもだ。あいつは少し遅れるらしいが。」
 
 
 ヒビキは意気揚々と研究所のドアを開けようとした。
ジュンは少し後退りし、その場から離れようとした。ヒビキが気付いて問う。

 「あれ?ポケモンは?」
 「あ・・・いや・・ちょっと用思い出してさ!後ですぐ行くよ!」

 そう言ってジュンはいそいそと走って家へと向かった。

 「ジュン・・・?」

 ヒビキは1人、研究所の前で立っていた。



 

 ジュンは家には帰らず、その足で家の近くの池に向かった。
 その池はそれが池と言えるのかというほど広大で、海とも言えそうなものだが、地図を見ると確かに池である。
その池を渡り、東に進むとカントー地方へとつながり、トレーナーの目指すポケモンリーグがある。

 そして、さらにポケモンリーグのそばには、兄、シュウが最後に行ったといわれている聖なる山、シロガネ山がある。



 ジュンは池のほとりに座り、小さく溜め息をついた。
遠くを見つめ、かすかに見えるシロガネ山を見た。

 「兄ちゃん・・・・。」



 あの日のことを、ジュンはすべてを知っていた。ジュンがまだ幼く、カントー地方のマサラタウンに住んでいた。シュウと連絡が取れなくなり、行方不明になってしまった、あの日。
ジュンは、父に寄りかかって泣く母をドア越しに見ていた。
そして、自分を責める母がいった言葉。

 
 「シュウを・・ポケモントレーナーにさせたから・・・こんなことに・・・?」




 ポケモントレーナーを志していたジュンに、母の声は深く突き刺さった。
あの日以来、ジュンは自分はトレーナーになってはいけない。そう思うようになった。
ポケモンにもあまり触れ合おうともしなかった。トレーナーの夢を諦めるために。

 しかし、やはり心のどこかで、まだトレーナーへの憧れを捨てきれず残っている気がしているのだった。
 
この矛盾した二つの気持ちを抱え、ジュンは今年、トレーナーになること許される歳になった。
 ワカバタウンに引っ越してきて、ウツギ博士に会ってからは、ジュンはトレーナーへの夢をもう一度・・・と強く思うようになった。
しかし、母をに悲しい思いをさせたくない。
どうしたらいいだろうと、悩む日も少なくなかった。



 近くの石を拾い、池に投げ捨てた。
波紋が広がり、消えた。それを見て、ジュンはもう一度溜め息をついた。

 「・・・兄ちゃんに・・・なりたい・・・。」

 兄がチャンピオンになった日の夜。兄に向けていった言葉。
ジュンは今でも忘れることなく覚えていた。

 
 帰ろうとしたとき、ジュンは自分の目を疑った。

 兄が、自分の家の方角にいる。

 あたりは草原で、目印となるものは無かったが、兄はジュンからそう遠くないところで立っていた。

 「・・・い・・・?」

 ジュンはふらふらと、目の前にいる兄の下へと歩み寄る。
 目が、かすかに潤んでいる。

 「兄ちゃあああああああん!!」

 ジュンが飛びつこうとした瞬間。兄はフッと消えた。

 「・・・!?」

 唖然とし、その場でがっくりと肩を落としたジュンは、目じりに涙が浮かんでいたのが分かった。
 こらえようとして、下を向いた。

 するとそこには1つのモンスターボールが、草に埋もれて転がっていた。



               ―その2に続く―

 

メンテ

Re: Story of Pokemon -頂を目差して-( No.4 )

日時: 2011/12/24 12:56
名前: NiSi ◆y2eau8XC5Y
情報: 112-68-128-157f1.hyg2.eonet.ne.jp


第1話「出会い」―U


 兄の幻影の跡に、ひとつのモンスターボールがあった。先ほどまでは気づかなかったが、いつの間に落ちていたのだろう。ジュンは不思議に思った。

 「・・・落し物かな?」

 拾ってみると、確かな重みがあった。
ジュンは驚いた。空のモンスターボールではない。
つまり、中にポケモンがいるのだ。

 「・・・捨てられたのか・・・。」

 よく見てみると、モンスターボールはあちこちキズだらけで、ヒビまで入っている。薄汚れていて、何日もここに置いてあったかのように草のにおいが染み付いていた。

 「よし!」

 意を決したかのように、ジュンはモンスターボール中央の丸いボタンをカチッと押した。

 
 直後、モンスターボールは光に包まれ、そのふたを開いた。

 出てきたのは  タマゴ。

 
 「あれ?まだ生まれても無かったのか。」

 ジュンは出てきた卵を大切に抱きながら言った。
長らく外に放り出されていたせいか、タマゴは少し冷たかった。
しかし、わずかでも生き物のぬくもりは感じられた。

 「孵化するのいつだろ・・・。」

 暖めるようにしながら、ジュンはぼそりとつぶやいた。

 すると、ジュンの言葉に反応したかのようにタマゴにヒビが入った。

 「えっ!?今から!?」


 ・・・パリーン!!





 タマゴから出てきたのは、
 
 小さく、
 
 こげ茶色の毛を持っていた。

 尻尾が丸く巻かれ、六つの束になっている。

 
 狐ポケモン、炎タイプ

 ロコンだった。


 「ロコン!?」

 ジュンは自分の腕の中で生まれたロコンをみて、そう言った。
ロコンがその声に反応してジュンを見る。
ロコンはジュンを親だと見たのか、抵抗することは無かった。

 開いたままのモンスターボールの中に、一枚の紙切れがあった。

 『あなたに、そのポケモンを差し上げます。』

 そう書かれてあった。

 「俺に・・・?」

 ジュンはロコンをみて、もう一度、紙切れに目を通した。
ロコンはやはり、少し怯えた様にこちらを見ていた。

 「とにかく、ウツギ博士に見せに行こう!」

 
 そう思ってジュンは駆け出そうとすると、目の前に一匹のポケモンが現れた。
 目立つのは口からはみ出すほど進化した二本の前歯。大きい体は、幾多もの戦いを積み、進化した証だ。

 ねずみポケモン ラッタ。

 まさかこんなところにラッタがいるなんて思いもしなかった。
いつもならここで逃走を図るのだが、今はポケモンがいる。生まれて間もないとはいえ、十分戦えるようになってから孵化するポケモンなのだ。心配は必要ないだろう。

 「よし・・・いけっ!!ロコン!!」

 威勢よくロコンを突き出したは良かったが、ロコンはラッタを見るなり、体全体を震わせていた。相当な臆病者なのだろうか。
 
 ラッタが体当たりをした。ロコンはあっけなく吹き飛ばされ、ボールのようにころころと転がる。
 何とか起き上がったが、さらに恐怖心を植えつけたようで、反撃しようとはしない。二発目も、あっさり食らってしまった。

 「ろ・・ロコン!」

 ボロボロになるロコンを必死に励まし、攻撃の指示を出すが、ロコンには届いていない。
ロコンはふるふると体を振るわせるだけで、ラッタの攻撃を体全体で受け止め、ダメージばかりを受けていた。

 このままではロコンがやられてしまう。

 直感で思ったジュンはロコンに駆け寄った。
 ちょうど、ラッタがとどめを差そうと体当たりを開始した直後だった。

 ジュンがロコンを抱きかかえるのと同時に、ラッタの体がロコンに接触した。

 つまり、ジュンとロコンはラッタに2人仲良く吹き飛ばされてしまった。

 「げふうっ!」

 衝撃で言葉が詰まる。 
 だが、草のおかげで怪我はしなかった。
 ロコンが「どうして?」と言いたげにこちらを見ていた。

 「ごめんな。おまえ。まだ生まれたてなのにな。」
 
 ロコンの頭を撫でてやる。ロコンの体の硬直が解けていくのが分かった。
それをみて、ひとつの決心がついた様に、ジュンはロコンと目を合わせていった。

 「これから、お前は俺が守ってやるからな。」

 笑顔でそう言った。ロコンはハッとしたように目を大きく見開いた。ポケモンは人間の言葉も分かるようだ。

 「・・・!?」

 ロコンをモンスターボールに戻そうとすると、モンスターボールが無残にも蓋と本体とで真っ二つになってしまっているのに気づいた。これでは使い物にならない。

 「くそっ・・・!」

 ラッタが再び体当たりを仕掛けてきた。
ロコンも完全に緊張を解いていたせいで反応が鈍っている。
ジュンはロコンの前に立ち、ラッタに向かった。

 「ロコンは俺が守る!」

 誰にでもなく。ただ自分に言い聞かせるようにそう叫んだ。

 「ロコンは俺のパートナーなんだ!!!」
 
 肯定してしまったが、今のジュンにはどうでも良かった。
ラッタからロコンを守る。それだけで良かった。


 直後、ジュンの肩に何かが乗り掛かった。

 かと思うと、それは飛び出し、ジュンの前に躍り出た。

 
 ロコンだ。

 「危ない!!」

 ジュンは叫んだが、ロコンは構わない。先ほどまでの臆病がうその様にラッタの前に立ちはだかり、大きく跳躍した。

 ロコンの口から、灼熱の炎が吐き出された。
 

 「『かえんほうしゃ』!?」

 ジュンは炎を避けてそう言った。

 ラッタは火炎放射をまともに受けて、その場で倒れた。
しばらくして、すぐ意識を取り戻したが、攻撃せず、そそくさと逃げて行ってしまった。

 「ロコン・・・。」

 
 ジュンは驚きと、期待を含んだ目でロコンを見ていた。


  
       ―第2話に続く―
メンテ

Re: Story of Pokemon -頂を目差して-( No.5 )

日時: 2012/09/11 01:25
名前: NiSi ◆y2eau8XC5Y
情報: 112-70-62-197f1.hyg2.eonet.ne.jp


第2話「旅立ち」―T


 パチッ・・・パチッ・・・。

 先ほどの炎がまだ草に残って燃えていた。
ところどころ焦げた草が目立つ。

 そんな草地の真ん中に一匹のポケモンと1人の少年がいた。

 そのポケモンとは、褐色の毛を持ち、巻いた六つの尻尾が特徴。
 狐ポケモン、ロコン。

 ロコンの後ろで呆然と立ち尽くす少年は、名をジュンと言う。




 「・・・・ロコン。」

 ジュンはただ、そう一言言い放つことしか出来なかった。
目の前で、生まれたばかりのロコンがラッタを倒したのだ。
しかも、先ほどまであれほど怯えていたのが嘘のように、今のロコンはしっかりと大地を踏みしめ、力強く立っている。

 ジュン自身、ポケモンバトルは生で見たことが無く、いつもTVで中継されているものを見ていたので、目前で繰り広げられたバトルは迫力が桁違いだった。
さすがのジュンも、実際に「かえんほうしゃ」を見ると、その迫力に足がすくんでしまった。

「・・・・あ・・・えと・・。」

 しばらく硬直状態が続く、こういう時、トレーナーはどうしたら良いのだろうかと、ジュンは必死に考えていた。モンスターボールに戻すのが普通の動作なのだろうが、ロコンの入っていたモンスターボールは先ほどの戦闘で破損してしまっていた。戻すことも出来ない。

 ジュンが1人考えていると、ロコンは突然、足元をふらつかせ、その場に倒れこんでしまった。

 「・・!?ロコン!?」

 ジュンが慌てて駆け寄る。やはり生まれたてで精神面でも強くは無いのだろう。緊張と疲れが一気にロコンを襲ったのだ。

 「と、とにかくウツギ博士のところへ行こう!!」

 ジュンはロコンを抱えて、ウツギ博士のいるポケモン研究所まで走った。




 「はぁ・・・はぁ・・・・。」

 ジュンは息を切らしながら、大きな建物の前にやって来た。
 壁には、「ウツギポケモン研究所」と書かれた看板がはめ込まれている。
 ジュンは勢い良くドアを開け、研究室の中に飛び込んだ。

 「ウツギ博士!!!」
 
 直後、
 
 ドサドサッ・・・と、書類の落ちる音がした。

その音源へ目を移すと大量の書物や、レポート用紙が机から落ちていた。
 その書類の山から、少しやせた、メガネをかけた男性が顔を覗かせた。
 その男性、名はウツギ博士。ポケモンの進化について研究している学者で、ここワカバタウンに研究所を構えて日々研究に励んでいる。
穏和な性格のおかげで、ワカバタウンの皆に親しまれている。


 「ウツギ博士!!」
 「な、なんだジュン君か。驚かさないでおくれよぉ!」

 ウツギ博士が散らばった書類を拾いながら言った。かき集めた書類を机の上に載せる。しかしバランスが悪かったのかまた落ちてしまった。

 「と、・・とにかく・・・どうしたんだい?」
 
 メガネを正しながら、ジュンに視線を移す、と、直後、ジュンの抱きかかえていたロコンに目をやった。

 「そのポケモンは・・・?」
 「あ、その、このロコンについて・・・・!」

 ジュンは、このロコンに出会った経緯を話した。




 「・・・・なるほど・・・。」

 いまだに、バサバサと何度も落ちていく書類をかき集めながらウツギ博士は言った。

 「捨てられポケモンか・・・ここらでは珍しいね。」
 「はい・・・初めて見ました・・・。」

 ロコンはすっかりジュンに慣れたのか、ジュンの膝の上で眠っていた。ただ疲れて眠っているだけなのかも知れなかったのだが。
 ウツギ博士はロコンを見、頬や背中を触り、何か調べているかのようにしながら言った。

 「一度、『ポケモンじいさん』に見せてもらいに行ってみてはどうだろう?」
 「『ポケモンじいさん』?」
 「そう。彼なら何かこのロコンについて知っていることがあるかも知れないよ?彼はポケモンに人一倍興味がある人だからね。特にポケモンのタマゴには目がないんだ。」
 
 寝ているロコンを撫でながら、ウツギ博士は続ける。

 「このロコンも、タマゴの状態で見つかったのなら、彼にも何か心当たりがあるかもしれないよ!」
 「そうですか・・・・。」

 ジュンはロコンを見、割れたモンスターボールを見た。

 「どうだい?ロコンと仲良くなるためにも、少し『ポケモンじいいさん』の家まで出かけてみたらどうだい?」
 「えっ!?」

 ジュンは驚いてウツギ博士を見た。

 「良いじゃないか?ポケモンじいさんの家はヨシノシティを過ぎた30番道路の奥に建っている。ここからだと往復で1日かかるから、ちょっとした旅だね。」
 「ロコンと・・・旅を・・・?」

 
 ジュンの心はわずかに高ぶっていた。
一日程度とは言え、ポケモンと一緒にワカバタウンの外を歩くのだ。
何度頭の中に思い描いていただろうか。
いま、現実になろうとしていることに興奮を抑え切れなかった。


 ―兄ちゃんと同じ、オレも旅に出たい。
  ポケモントレーナーとして。旅に出たい。―
 
 
 昔、心にいつも留めていた言葉を思い出した。


 「・・・・1日だけなら、母さんも許してくれるよね。」

 ジュンはロコンをおろして自由にしてやった。
そしてウツギ博士に言った。

 「オレ、そのじいさんの家に行ってきます!!」




    −その2に続く−

メンテ

Re: PokemonChallengers -頂を目差して-( No.6 )

日時: 2012/09/30 19:52
名前: ゴン
情報: ftth-00045.asint.jp

Nisiさんお久しぶりです。
攻略の部屋を見ることそのものが何か月かぶりですが。
これから先どんな冒険になるのか楽しみです。
メンテ

Re: PokemonChallengers -頂を目差して-( No.7 )

日時: 2013/04/02 13:45
名前: NiSi ◆y2eau8XC5Y
情報: 112-70-54-164f1.hyg2.eonet.ne.jp


第2話「旅立ち」―U


 ガサッ・・・

 
 「・・・・。」

 ザッ・・・ザッ・・・

 「ここが・・・。」

 ガチャッ!!

 「!!!」

 ガサッ・・・・



 「俺、お母さんに言ってみます!」
 「うん。長旅でも無いからね、心配は要らないはずだよ!!」
 「分かりました!おいで!ロコン!」

 ジュンは、ロコンを連れて自宅へと向かい、ウツギ博士はそれを見送った後、「さ、さて、書類の整理だ・・・」と、落ち込み気味に呟きながら研究室に入って言った。


 ガサッ・・・

 先ほど、研究所の脇の草むらに隠れ込んだ少年が、再び姿を現した。

 赤い髪、目は鋭く、子供らしさが無い。黒いトレーナーを着、この少年から明の印象は無い。

 少年は再度、研究所に近づき、傍にあった看板を見る。

 《ウツギポケモン研究所》

 少年はそれを見た後、目の前の大きな建物を見つめながら呟いた。

 「なるほど・・・ここが・・・ポケモン研究所・・・。」





 「・・・そう・・・。ウツギ博士が・・・?」

 母は、ジュンと、ジュンの足元にぴたりとくっつくロコンを交互に見ながらそう言った。ジュンの予想していたとおり、あまり嬉しそうな反応ではなかった。

 『シュウを・・・ポケモントレーナーにさせたから・・・こんなことに・・・?』

 ジュンの頭の中に、あのときの母の声が響く。やはり、母は自分がポケモントレーナーになることを反対しているのではないかと思っていた。どうにかして、説得できるような物ではないような気もしていた。

 「わかったわ・・・。」
 「え!?」

 母の1つ返事に、ジュンは驚き、ロコンは驚くジュンに驚いていた。

 「あなた達、兄弟だものね。」
 「え?に、兄ちゃんも・・・?」
 
 母はロコンに手を差し出し、ロコンはおどおどながらも、その顔を手に当てた。

 「シュウもね。ポケモンを抱きかかえて家に帰って来て、『ポケモンと旅がしたい!』って言って聞かなかったのよ。」
 「兄ちゃん・・・。」
 「ジュンも、やっぱり、シュウと同じ血が流れてるのね。」
 「うえ・・・?」
 「このロコン。ジュンに懐いてるもの!会ったばかりだって言うのによ?きっと、ロコンも、あなたと一緒に旅がしたいって思っている筈だわ。」

 そう話しきった後、母はジュンをぎゅっと抱き寄せて、耳元で囁いた。

 「いってらっしゃい。立派なポケモントレーナになって。帰っていらっしゃい。」

 ジュンは、母は、自分がトレーナーになることを許してくれたことに申し訳なさを感じつつも、兄のようにポケモントレーナになれることが嬉しかった。これから、ロコンと、ポケモンたちと、冒険の旅に出られることが、ただただ純粋に嬉しかった。
 
 絶対に帰ってくる。母は決心してくれたのだ。自分も決意を固めないといけない。そう思っていた。

 「そうと決まれば、準備をしなくちゃね!」
 
 母は笑顔で、ジュンに言った。



 

 
―コガネシティ ポケモンジム―


 「もうあんたのポケモンに戦う元気はあらへんで!!ウチの勝ちや!」

 ミルタンクを従えたミニスカートの女の子は、目の前の倒れたポケモンに寄り添う男性トレーナーにびしっと指をさしてそう言った。

 「く、くそう!!今日こそ勝てると思ったのに・・・!」

 そう言って、男性トレーナーはポケモンをモンスターボールに戻し、ジムから出て行った。


 「ふふん!このコガネシティジムリーダー、アカネに勝とうなんざ、100年早いっちゅーねん!」

 アカネと名乗った女の子は、腕を前に組みながら、出て行ったトレーナーに向かってなのか声高にそう言った。

 そんな姿を、ジム内の観戦席から、目を輝かせながら見ていた少女がいた。

 「アカネさん、やっぱり強いなあ〜〜!私も、アカネさんのようなカッコいいポケモントレーナーに成りたいな!」

 抱きしめていた彼女の相棒、キレイハナも、少女に賛同するように何度も手を振った。
 その会話を聞いていたのか、アカネは少女のほうに振り向き、手を口に、拡声器のようにして、声を張って言った。

 「成ったらエエやん!」
 「えっ・・・!?」

 自分に向けて言われているのかと、あたふたする少女を、アカネは笑いながら続ける。

 「ポケモントレーナー、エエで!あんたも、きっとカッコええトレーナーになれるで!」
 「え・・・え・・・?」
 
 「降りてき!『ポケモン博士』がおる、ワカバタウンへの道、教えたろ!」




 


 夜明け、東から太陽が昇ってまだ間もない。とりポケモンたちの飛び立つ姿が、シルエットとなって空に浮かび上がっている。

 「いってきます!!」
 
 ジュンはそう言って、ロコンを連れて、29番道路へと駆け出して行った。



 −その3に続く−
メンテ
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