Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.12 )
日時: 2008/07/15 23:36
名前: オーエン
情報: zm162130.ppp.dion.ne.jp
- 第八話〜虹色の幻惑〜
エックスが本棚の並ぶ部屋に踏み込んだ瞬間、エックスにとってはなじみ深い感覚とにおいがした。
・・・殺気と、血のにおいだ。
暗闇の中でたくさんの黒い影がうごめいていた。そのうちの一つが飛び出してくると。みるみる姿を変えていった。
「こいつは・・・ゴーストか。しかも、野生・・・いや。自我を保っていない?」
そのゴーストの目は血走り、紅く染まっていた。しかも、生気が感じられない。まるで人形だ。
「ぎゃぐう!!がうああう!!」
わけの分からない奇声を発したかと思うと、いきなり大量の黒い塊・・・シャドーボールをエックスめがけて乱射する。
「敵意を見せた以上。容赦はしない・・・死ね。」
シャドーボールの弾幕をかわしきり、エックスは一気に間合いを詰め。ゴーストのガス状の体を悪エネルギーを込めた爪で切り裂く。
つじぎりだ。
ゴーストが倒れると奥からどんどんゴーストタイプのポケモンが押し寄せてきた。
「くそ・・・。いくらなんでも多すぎる!」
このまま戦い続ければ恐らくこちらは追い詰められていく。そう確信した瞬間、エックスの行動は早かった。
いきなり本棚の上に飛び乗った。ところでエックスは絶句した。
「なんだ・・・!?いったいどうなってる!?」
本棚から周りを見回すと、まるで亜空間にでも迷い込んだようだった。その広さは五キロ四方はある、図書館の面積からすると明らかにありえないことだ。
「チッ、一体何なんだ・・・?」
悪態をつきながらシエルを探すため、エックスは隣の本棚に飛び移った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
異空間に存在する古城の地下。そこには広大な訓練施設がある。
そこでルキフェスは考え事をしながら部下達の訓練の様子を見ていた。
「あの・・・隊長。どうしたんですか?」
それを見て一匹のグラエナが恐る恐る話しかける。そのグラエナは腹に白い包帯が巻かれていた。
「ん・・・。いや、なんでもない・・・少し休憩にするか。皆に伝えてくれ。」
「は、はい!」
そのグラエナが離れていって、また考えていると後ろから話しかけられた。
「よう、ルキフェス。」
「フレスベルグか、傷の調子はどうだ?」
フレスベルグの腹部は溶接で結合されており、傷痕は微妙に黒く焦げ付いていた。
「怪我はまあいいが・・・。ニーズヘッグ知らねえか? この間の勝負の続きしなくちゃな!」
あきれたように目を細めてルキフェスはため息をつく。
「怪我しててもこりないな、お前らは・・・。」
「いいだろう、別に・・・。知らないならラタトスクに聞く。」
踵をかえし、立ち去ろうとするフレスベルグをルキフェスが止める。
「ちょっと待て。」
「何だ?知ってるのか?」
「・・・今日はラタトスクはいない。・・・あと、探すなら自分でしろ、それだけだ。」
ルキフェスはそれだけ言うと、部下の元へ向かった。
(あの腹黒魔女が動くとはな。どういう気まぐれだか。)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そのころシエルはと言うと、図書館の一番奥にある戦争の資料がある棚で目当ての本をみつけた。
「やっとみつけた・・・どうも戦争初期にいた将軍の日誌みたいですね・・・。」
シエルは帰ろうとした瞬間になって、ようやく異変に気がついた。やたら部屋が広い。
「あれ??ここ、どこでしょうか・・・。」
不思議がっていると。後ろから足音が聞こえ、とっさに振り向いた。
そこにいたのは一人のイーブイだった。
「あの〜。なんだかここ、おかしなことになってませんか?どう考えても広いんですが・・・。」
イーブイはにっこりと笑い。口を開く。
「ふふふ・・・。大丈夫、大丈夫。」
「・・・?何で驚かないんですか?不気味じゃないですか。」
「だってね・・・・・・・・・」
「これ、私がしたんだもん。」
察したシエルはすぐさま変身を解き、間合いをとる、だが、次の瞬間にはそのイーブイは大きな黒い球体を生み出したところだった。
「バイバイ、お邪魔な聖獣さん。」
球体が放たれてからはまるでスローモーションのように感じられた。少しずつ、少しずつ。こちらに向かってくる。
(・・・殺される!)
シエルは意味もないと知りながらも、固く眼を瞑った。
しかし、いつになっても痛みは感じられない。不思議に思って眼をを開けると。自分が最も頼りにする人物の背中が見えた。
「・・・まったく、ヒーローってのは趣味じゃないんだが?」
「エックスさん!」
エックスはシャドーボールとシエルの間に滑り込み。シャドーボールを切り裂いたのだった。
「ふーん。すごいね、もう見つけちゃったんだ・・・。」
「また、ルキフェスとか言うやつの仲間か・・・。」
エックスがイーブイを睨むが、気にしないようにイーブイは続ける。
「ま、いっか。今回はお遊びだもんね〜。私の名前は虹色のラタトスク。一緒に遊んでよ・・・ふふふ・・・あはは・・・。」
そして、無邪気な笑い声が図書館を木霊し。虹色の魔女との戦いは始まった。
・ラタトスクの性格は黒っぽいけど、じつは無邪気な子供。といった感じです。でもあんまり友達になりたくありませんね、自分で作っておきながら。(笑

Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.13 )
日時: 2008/07/16 21:07
名前: アイラ ◆5iZHLuClf6
情報: u66201.koalanet.ne.jp
- どうも!光色の剣の作者です!(名を名乗れ
うわぁ〜!エックス君のセリフ・・・かっこよすぎる!!
虹色の魔女VS黒き傭兵ですか!展開が非常に気になりますね・・・。
影ながら応援してますよ!頑張ってw
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.14 )
日時: 2008/07/16 21:23
名前: パンツァー ◆2DziEbwxa6
情報: p3233-ipad02matuyama.ehime.ocn.ne.jp
- 初めまして^^
傭兵と聞くと興奮するパンツァーです(笑
毎回、スレが上がる度に見させて頂いています。
表現の方法がお上手で毎回、とても見やすいです。
イーブイ好きなのでラタトスクちゃんの活躍に期待しています。。。
能力解放と言うのも興味深いです。
これからの展開に期待します!
お互い頑張っていきましょう^^
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.15 )
日時: 2008/07/17 00:42
名前: オーエン
情報: zp206051.ppp.dion.ne.jp
- コメント返信
アイラさん、パンツァーさん。コメントありがとうございました!
本当に楽しんでくれてるかどうか不安だったけど、コメントがもらえて、そんなもの消し飛びました!
今回の相手はイーブイですので、なんとなく予想できるかもしれませんね♪
これからもがんばって(主にネタ出しを?)進めます。今度はお二人の小説にもいきますね。ありがとうございました!
X「おい、アイラさんの小説にはコメントしまくりだろ。」
し「はい、かれこれ五回はしました。」
あ・・・。
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.16 )
日時: 2008/07/18 00:46
名前: オーエン
情報: zn162239.ppp.dion.ne.jp
- 第九話〜色分け〜
笑い声が止まり。辺りが静かになると、ラタトスクは口笛を吹き始めた。
そのとたん、ゴーストポケモンが波のように押し寄せてきた。
「これで全部かな?ふふふ・・・。」
「こいつらがお前の部下か?」
「ううん、違うよ♪この子たちは・・・もう用済み♪」
次の瞬間。とんでもない熱気と共に地獄の業火を思わせる炎が辺りを包みこんだ。・・・ゴーストポケモンもろとも。
エックスは炎をとび越えて、シエルは浮遊してかわした。
「なんてやつだ、あれだけのゴーストポケモンを一瞬で・・・。」
「酷い・・・。」
ラタトスクの姿はいつの間にかブースターへと変わっていた。
「だって邪魔だもん。どうせ野生だし、魔笛に付け込まれる雑魚だもん。」
「やっぱりか、あのゴーストポケモン達は明らかに正気じゃなかった。お前の仕業だったんだな。」
やはりほほえんだまま、ラタトスクは答えた。
「そうだよ〜。私の魔笛は心の弱い者を操る力があるから♪・・・まあ、あなたたちには効かないだろうから、真面目にやろうかな〜。」
そう言ったとたんに驚くべきことが起こった。光と共に再びラタトスクはイーブイに戻ったのだ。
「何・・・!?・・・そいつがお前の能力解放ってやつか?」
「違うよ♪これはオマケみたいなものだからね〜。と言っても、私しかできないだろうけど。」
また光に包まれると次はサンダースへと変化する。
「じゃ、遊ぼうよ。・・・ゲームスタート!」
ゴスッ!
でんこうせっかでいきなり突っ込んできたラタトスクにエックスは反応が遅れた。もろにくらって吹き飛ばされ、向かいの本棚に激突、落下した。
床に落下したエックスの口からは血があふれていた。
「エックスさん!!」
心配そうに駆け寄るシエルに口を拭いながら言った。
「・・・大丈夫だ。今度はこちらから行く、援護頼めるか?」
シエルが頷くとほとんど同時にエックスは両手の爪をきらめかせ、ラタトスクに突進した。
「そうこなくっちゃ、面白くないもんね。」
またイーブイなり、光に包まれると、エックスに鋭い刃が襲いかかった。
(・・・こいつ、もしかして・・・。)
「お次はリーフィアか・・・。やっかいだな、どんな戦い方でも可能なのか?」
対策は思いついた。ラタトスクのリーフブレードをエックスは紙一重でかわし、牽制しながらチャンスを待つ。シエルとはリンクしている、あとはタイミングを待つだけだ。
「・・・来た。」
しばらくの後。唐突に大きな揺れが起こり、本棚から本が落ちてきた。そして一瞬、ほんの一瞬だが、ラタトスクはエックスを見失った。
そして、本が落ち切ってしまった後、エックスはどこにもいなかった。
すぐさまラタトスクは変化を解く。だが、それは大きなミスだった。
「やっぱりな。」
バキリ
ラタトスクはいきなり強い横殴りの衝撃を受け、思い切り吹き飛ばされた。
「さっきのおかえしだ、結構効いたんだからな。」
「ぐ・・・これは・・・。」
ラタトスクのダメージはかなり大きかった。なぜならエックスの放った技はかわらわりだったからだ。
「・・・お前の能力の弱点、それは次の姿に変化する際一度イーブイに戻る必要があるということ。お前が一瞬でも俺を見失えば、次に近接戦か遠距離戦か、選ぶ必要があるため、お前は確実に一度イーブイに戻る必要がある。それを予測していれば戻った瞬間に攻撃を当てられる。簡単なことだ。」
「ふ、ふふ・・・じゃあ、さっきの揺れは・・・。」
「ああ、あれはシエルのじしんだよ、シエルは多種多様な技が使えるからな、お前の攻撃をよけてるあいだに念力で相談してお前を足止めできるじしんを選択したわけだ。」
そう言い終えたところで、少し空間が揺らいだ。
「?何だ、今のは・・・。」
「あ・・・。空間を維持できなくなってきた。・・・残念。タイムアップか・・・。」
名残惜しそうにエックスとシエルを一瞥した後。
「また遊んでね・・・ふふふ・・・。」
そう言い残すと、ラタトスクは空中に発生した黒い穴消えていった。
なお、この事件の被害者は死者10数名、負傷者6名という惨事となった。
・魔笛(まてき)は一種の催眠術と考えてもらって結構です。空間を広げたのも魔笛による催眠です。(時間制限あり)
・ラタトスクの能力は、こんなんあればな。と思った妄想でできました。あと、本気は出していません
・皆さん、無邪気と残酷は紙一重ですよ〜。(ふふふ・・・)

Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.17 )
日時: 2008/07/18 17:47
名前: オーエン
情報: zm163009.ppp.dion.ne.jp
お知らせ・・・。
まだ出ていませんが、当初主要キャラにあったギース君をサブに変えます、急な変更をお詫びします・・・。
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.18 )
日時: 2008/07/19 20:24
名前: フシギダネ ◆Ror0LszgzY
情報: i121-117-238-116.s04.a011.ap.plala.or.jp
- どうも今晩は。 フシギダネです♪
ついにやって参りましたぁ〜♪
早速読みましたよ〜♪
グロテスクな展開に目が離せませんでした。
しかも広い世界観がたまらなくたまりませんでした〜!(え?
特にスペール国がなんというか・・・ たまりませんでした!(はぃぃ?
しかもクールなエックスさん・・・
たまらないぃぃ〜!!
ピチカ「い い 加 減 に し ろ ぉ ぉ 〜 っ !!」
ご、ごめんなさ〜ぃ!!!
それでは、 次回の展開も楽しみにしていますよ♪
・・・乱文失礼しました・・・(_ _;)
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.19 )
日時: 2008/07/19 21:09
名前: オーエン
情報: zn163159.ppp.dion.ne.jp
ようこそ〜。やっぱグロいですか・・・。でも譲れませんよ!うりですか(ゴキ
X「言ってる場合か、ダメ作者。」
し(ちょっとやりすぎでは・・・。)
あいたたた・・・。ちなみに皆さんもうお気づきでしょうが、皆さんの小説へのコメントに登場する彼らはうちの(バキャ
痛い痛い!死んじゃうって!ホントに!
うう・・・ほんとに殺されかねないので名前は伏せます・・・。コメント、ありがとうございました。
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.20 )
日時: 2008/07/20 23:46
名前: オーエン
情報: zm162193.ppp.dion.ne.jp
- 第九話〜ある男の日記〜
宿に戻り、大きなあくびをしながらシエルは一生懸命日記を読んでいた。エックスは包帯でグルグル巻きになってベッドに座りこんでいた。
「これって、どんなポケモンの字でしょうか?独特で一般的じゃありませんね・・・。」
・・・幾何学的な記号のような文字は、読むというより、解読するの方が正しいかもしれなかった。
エックスはぼんやり眺めていたが。何かに気が付き、口を開いた。
「シエル、ちょっと見せてくれ・・・・・・ああ、こんなの読めるわけがないな。これはニューラ族の暗号文だ。」
「え?そうなんですか・・・で、これ読めますか?」
「戦争に関する記述だけでいいな?」
ぱらりとページをめくりながらエックスが尋ね、シエルは首を縦に振って肯定を示した。
『・1・・24・・』「日付だな、消えかけてる。しかし・・・これ、六十年近く前だな。」
内容はこうだった。
最近、皇帝陛下の様子がおかしい。急に友好国家だったスティル国に宣戦布告するとは。
しかし、本格化する前にスティルにいる知り合いに聞くと。向こうの皇帝も何かおかしいフシがあるらしい。
宣戦布告後、何の躊躇も無く向こうも軍を出したらしい、いくらなんでも人格を疑いかねない。
戦乱とはいかなるものなのだろう?人々の心を狂わせるものだろうか?しかし、陛下はそんな心の弱き者ではない。もしかしたら、何かに取りつかれているのではないだろうか?何にせよ、私も明日出陣だ。この日記を書くのも最後かもしれない・・・。」
「らしいぞ?役に立ったか」
「やはり両国は何の前触れもなく戦争を始めたのですね・・・どういうことでしょうか・・・?」
シエルが今後のことを考えている間に日記を眺めていて、何か小さな字で最後のページに書かれていることに気がついた。
故郷に残してきた妻に子ができたと、この前手紙が来た。会いに戻れないのも残念だ・・・。
ガウン *ィ*ル
この日記の主の名だろう。少し、悲しい気分になったが、すぐに本を閉じ。テーブルの上に置いた。
「エックスさん。これから、この地方にいる私の知り合いを訪ねようと思います。」
「そうか。で、なんてやつだ?」
少しためらいがちに口を開いた。
「・・・大地の王、グラードン、グランと大海の女王、カイオーガ、カインです・・・。」
「・・・本当に存在するのか?」
こくりとうなずくとシエルは続けた。
「一度、会いに行こうとしたのですが・・・周りのポケモンが襲ってきて、会いに行けなかったんです。どうも戦争の影響でかなり気が立ってるみたいで。」
「・・・わかった、俺はお前を守る。そう決めた。お前について行くさ。・・・だが今日はもう休もう。」
シエルも隣のベッドに入り。明かりを消して。二人は眠った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふふ・・・ふ・・・くっ・・・。」
足を引きずりながらラタトスクは医務室に向って歩いていた。
「結構、力は出したんだけどね・・・。」
眼がかすんでぼんやりする、頭が真っ白になりかけた、その瞬間。ラタトスクはひょいと持ち上げられ。誰かの背中に乗せられた。
「・・・ルキフェス?」
「お前も油断大敵を勉強したいのか?」
その声には気遣いが感じられ。ラタトスクは少し顔が赤くなったのを感じた。
「・・・あいつはやはり強いな。本気じゃないとはいえ、四天王を二人も退けるとは・・・。」
「・・・えっと、ルキフェス?」
「何だ?」
ためらいがちにラタトスクは話した。
「恥ずかしいんだけど・・・。」
そのままルキフェスが無言で医務室まで走った。見た者はだれもいなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おまけ
「そういえば、エックスさんは読書ってしますか?」
「ああ。こんなのとかな。読むか?」
バックから取り出した本は・・・バ*ルロ*イ*ル・・・。
シエルはこの本を読んで悪夢を見たらしい。
「二度とエックスさんに本を借りるのやめよう・・・ひっく。」
・つなぎ用の話なので短めです(いつも短いじゃん
・最後のは僕の経験談です・・・てか、名前出すとやばいですね。

Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.21 )
日時: 2008/07/22 23:48
名前: オーエン
情報: zn163119.ppp.dion.ne.jp
- 第十話〜過去〜
国王に面会というのも考えてはいたのだが、日記の内容が本当だとすると会っても意味はないと判断し、二人はグランに会うため。南の砂漠を歩いていた。二人とも砂漠用のマントをはおっている。
「で、グランってやつと面識はあるのか?」
「シエルという存在としてではなく、聖獣ミュウというレベルでの面識はあるので。問題はないとおもいますが・・・。」
そこまではなしたところで、前方に誰かが歩いているのをみつけ。立ち止まり、警戒態勢に入る。しかし、むこうから聞こえてきた声はエックスにも聞き覚えがあった。
「おーい!もしかして・・・エックスかー?」
大きなリュックを背負い。ツルハシを持ったカラカラだった。このカラカラには見覚えがある。
「お前・・・ギースか?」
「そのとーり!探検家のギースだよ。久し振りだね、エックス。」
「あの・・・エックスさん?お知り合いですか?」
恐る恐るシエルがエックスに尋ねる。
「ああ、こいつはギース。実力のある探検家で、俺の友人だ。世間では結構有名らしいぞ。」
ギースはシエルに気が付き、話しかけてきた。ちなみにシエルは今ラルトスに変身している。気に入ったらしい。
「えーっと。エックス?この子、君の彼女かい?」
ぼんっ!
小さな爆発音が聞こえると。シエルの顔は耳まで真っ赤になっていた・・・・・・耳?
(まずい!)
事態に気づいたエックスが自分のマントをシエルの頭にかぶせ。引きずりながらギースと距離をとった。
「おい!はやく耳隠せ!」
「はうあう〜かかか、かの・・・。」
完全にパニック状態だった。しかたなく、シエルの首にチョップをくらわせ。無理やり引き戻してから耳を隠して行程を終えた。
「??何か僕変なこと言った?」
その後、方向が同じらしいので、日暮れまで歩き。テントをはって三人は中に入った。
「ギース、今回は何を探しているんだ?こんな砂漠の真ん中で。」
「それはおたがいさまでしょ。実はね・・・この砂漠の地下には巨大な神殿があるって話があるんだよ〜♪」
神殿という単語を聞いてシエルは少しだけ反応したのにエックスは気づいた。
「そうか・・・俺達は・・・まあ、人探し・・・でいいのかな?」
そのとき、シエルがエックスを引っ張ってテントの外へ連れ出した。
「・・・やっぱりまずかったか?すまない。」
「いいえ、そうじゃありませんが・・・少し小声で話しますね。」
「恐らく・・・地下神殿はグランの神殿のことです・・・。」
「それじゃあ、行先は同じになるってことか?」
うなずいたあたり。その通りなのだろう。
「・・・・・・それなら手伝ってもらうか。俺がギースに一緒に行ってもいいか聞いてみるから。あいつが調査してる間にグランに話を聞けばいいだろ?」
「大丈夫なんですか?」
「まあ。待ってろ。」
エックスはテントの中に入って、少し話をしてから、すぐに出てきた。
「昔よしみだ。OKだった。場所も分かってるらしいぞ。」
ふと、疑問を抱き。シエルはエックスに尋ねた。
「・・・あの、エックスさん。ギースさんとはいつ知り合ったんですか?」
一瞬エックスは表情を歪めると。
「いつだったかな。」
その一言だけ言い残してテントに入って行った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
深夜。シエルはエックスの言葉を考えていて眠れず。一度テントの外に出た。
輝く星と、青く光る月が夜の砂漠を明るく照らしていた。
「・・・きれい・・・。」
「でしょ?」
驚いて後ろを見るとギースが立っていた。
「どうしたんだい?眠れないの?」
「あ・・・いえ、実は・・・。」
ギースのことを聞いた時のエックスの事を話してみた。
「ああ、そういうことか。気になって寝られない。と。」
「どうしてエックスさんはギースさんと出会ったときのことを話してくれないんでしょうか・・・。」
しばらくギースは腕を組んで考えていたが。ゆっくりと口を開いた。
「まず聞いておくけど。シエルちゃんは『エックスが本当の名前じゃない』ということを知っているかい?」
「え・・・それってどういうことですか・・・?」
やっぱり。という表情を見せた後、ギースは続ける。
「エックスは昔は小さな村に両親と一緒に暮らしていたらしい・・・。でも、その村は戦火に巻き込まれ、生き残ったのはエックスだけだったんだ。しかもその時のショックで名前を忘れてしまったんだって。」
シエルは声も出ないといった感じだった。
「そしてその近くを僕が偶然通りかかって、道の端に倒れていたエックスをみつけて町に連れて行ったんだ・・・もう十年近くになるけど、あの時のエックスは怖かったな・・・。」
「・・・どうしてですか・・・・・・?」
「あの時のエックスの眼を実際に見た人しか分からない。相手を刺し殺すような強烈な殺気を放っていたんだ。思わず後ずさりしたくらいだよ。たぶん、そのことを聞かれたくないんだよ・・・そっとしといてあげて。」
そう言ってギースはあくびをしながらテントに入っていった。シエルはしばらく夜空を見上げて立ち尽くしていた。
・今回はエックスの友人を登場させてエックスの過去にスポットをあててみました。どうでしたか?
・しかし・・・シエルが耳ネタキャラになってきたかも。
・いよいよ次回はグランとご対面です。お楽しみに!

Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.22 )
日時: 2008/08/28 15:37
名前: オーエン
情報: zn160066.ppp.dion.ne.jp
-
あ〜、夏休みで兄が帰ってくるわ、母は仕事休みやでなかなかパソコン使えなーい!
第十一話〜地下神殿〜
「見えたぞ、あれが入口だ。」
ギースが指さす先には大きな岩の塊だった。
「・・・本当だろうな?」
確かにギースはいい友人だ、しかし・・・どこから入れと?
「まあ、見てなって。古い本によればこの辺に・・・。」
岩肌をしばらく探っていたギースだが、何かをみつけて二人をよんだ。
「ここの穴の奥にスイッチがあるよ。何か長いものない?」
「あ、私やりましょうか?」
シエルが言いだし。念力で起動させることになった。
「じゃあ、押しますよ〜。」
「たのみます〜。」
カチン
小気味よい音とともに岩肌の一部がスライドし、入口がぽっかり穴をあけ、階段が現れた。
「それじゃ・・・行こうか。エックス、シエルちゃん。」
「ああ。」「はい。」
そう言って、先の見えないほど暗い洞窟に足を踏み入れた。
・久しぶりです・・・てか、ほんとに短い・・・。グランまでいってません。
・まとまった時間に進めたほうがいいんだけど、なんか書きたく・・・。ってどうでもいいですね・・・。
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.23 )
日時: 2009/01/19 00:00
名前: オーエン
情報: zg205138.ppp.dion.ne.jp
-
テストしゅーりょーっつ!!!
第十二話〜眠れる巨獣〜
階段を下ること数分、急に道が広くなったかと思うと奥から光がさしこんでいた。
「着いたみたいだねえ?僕はお宝探しだけど、どうするの?」
「ああ、こっちは勝手に動く。無視してくれてもかまわんが?」
短い会話をしているうちに空間がひらけ、ピラミッドを思わせる石造りの神殿が姿を現した。中腹まで続く長い階段が作られており、その先にはぽっかり穴があいていた。
「これが地下神殿か・・・。うう〜ん、楽しみだなあ♪」
そう言い残し。ギースは神殿の入り口と思われる穴に走り込んでいった。
「・・・・・・さてと、シエル。本題に入るか。」
「わかりました、こっちです。」
そう言ってシエルは階段の手前の辺りの地面を調べ始めた。
「・・・ありましたよ、エックスさん。」
そこにあったのは二メートル四方ほどのレリーフだった。中央には赤い何かが描かれている。
「少し待ってくださいね・・・。」
シエルは目を閉じ、レリーフに手をあてた。触れたところが赤い光を放ったかと思うと、次の瞬間にはレリーフが跡形もなく消滅し、大きな穴が現れた。
シエルが穴に飛び込むのを見て、エックスも後を追った。
しばらくは風を切る音しか聞こえてこなかった。だが、少しして砂の上に着地したエックスは、そこが巨大な祭壇であることにしばらく気が付かなかった。そして・・・。
祭壇の奥に巨大な赤い体をした何かがうずくまっていた。
「あれが・・・。」
「はい、大地の王・・・グランです。今起こしますから、ちょっとまって・・・?」
シエルはグランに近づこうとして異変に気づいた。
グゴゴゴゴゴ・・・
グランの体が痙攣したかのように動いたあと、急に起き上ったのだった。
「そんな!?グランが自分から目覚める周期はまだなのに・・・?」
「・・・違う。こいつの体。よく見ろ。」
よく見るとグランの体は全身傷だらけだった。その目は怒りに燃え、まっすぐ二人を見据えている。完全なる興奮状態だ、彼の状態には疑問が残る、しかし。
「・・・こいつ、一度おとなしくさせる必要がありそうだな・・・。さすがに本気でやるしかないな・・・こいつはやばすぎる。」
次の瞬間、グランは咆哮をあげて地面を踏みならした。すると地下だというのにまるで砂漠の真昼間のような日差しが辺りを照らした。
太陽の光さす地下で、傭兵は大地の王に謁見した。
・こんばんわ、オーエンです。いやーやっとグランまで行きましたよ。
・この回書いててやっぱ×部分けみたいにしようかと思い始めたオーエンでした〜♪

Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.24 )
日時: 2009/01/19 00:01
名前: オーエン
情報: zg205138.ppp.dion.ne.jp
- 実は年末にはどこにも行けません・・・うう。
第十三話〜氷刃〜
先に動いたのはグランだった。その巨体からは想像もつかないスピードでエックスに突進し、巨大な爪を振り下ろした。
「っと、そんな大振りじゃいくら威力が高かろうが意味がないな。」
軽々とグランの攻撃をかわすと、すれ違いざまに肩や脇に爪を走らせ、背後に回る。しかしまるで鎧のようなグランの体には大したダメージは与えられなかった。
「グルルルル・・・。」
ゆっくりグランが振り向くとギラギラと光る、殺気に満ちた眼と思わず見合わせる。エックスは本能的な恐怖を感じ、鳥肌を立てた。そして次の瞬間にはグランの口からすさまじい熱気と光があふれる。ぎょっとしてシエルは叫んだ。
「エックスさん!避けてください!!」
グランが口をエックスに向けて大きく開いた瞬間。究極まで凝縮された光が放たれ、空気中の水分が一気に蒸発する。
ーーーソーラービーム。それは決定力に欠ける草タイプの技の中でも最高クラスの破壊力を誇る技だ。この技は光を吸収。増大させて一直線に放つ、つまりはレーザーだ。本来この技には大幅なチャージ時間を必要とする・・・しかし強烈な日差しの中ではチャージ無しでも連射が可能となる、そしてチャージを必要としないソーラービームは全技内でも最大レベルのポテンシャルを発揮する・・・。
「何っ!?」
エックスはソーラービームの発射の瞬間。ぎりぎりのところで横ステップを踏み。なんとか回避に成功した。しかしレーザーの威力は衰えることなく直進し、祭壇にあった柱の一本に直撃する。命中した瞬間石造りの柱はあまりの高温にドロドロと溶解し。崩れ落ちた。
「・・・なんて威力だ・・・。あんなもの食らったら確実に骨の一かけらも残さずにこの世からオダブツだな。」
しかし、言葉とは裏腹にエックスは笑っていた。不思議に思ったシエルがエックスに声をかけた。
「・・・エックスさん・・・?」
「なあ、シエル。こいつはそう簡単にはくたばらないんだろ?それなら久し振りに本気でやってもいいか?」
「・・・・・・勝てる見込みはあるんですか?」
「・・・さあ。だが援護は頼みたいな。」
シエルは少し考えたがグランが再びソーラービームの発射態勢に入りエックスを狙う。
シエルはエックスを見て。首を縦に振った。
グランの口内で臨界したソーラービームが放たれる。しかし次の瞬間にはエックスの姿は射線上から消えていた。
ピキン
なにかが凍りつく音と共にグランの肩が氷に覆われた。
「!!?!?ゴガアアァ!!」
突然の痛みにグランが膝をつく。そしてその背後には。両手の爪が氷に包まれ。まるで二本の氷の刃を携えたように見えるエックスが立っていた。
「さあ、見せてやるよ。俺の暗殺術の秘儀・・・氷刃、アブソリュート・クロウ・・・。」
氷の刃を構え。エックスはグランに突っ込んだ。
・あとがき?あとがき!
・お久しぶりです、オーエンです・・・。いやあ、何気に三か月近く経ってしまいましたが・・・決してネタが思いつかなかったわけじゃないですよ。このサイトに行く暇がなかったわけで・・・。何はともあれ久しぶりの更新です、楽しんでくれるとうれしいですね。
・しかしあまり人気ではないようで少し不安ですね・・・。

Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.25 )
日時: 2008/12/19 16:50
名前: アイラ ◆5iZHLuClf6
情報: u66201.koalanet.ne.jp
- どうも!お久しぶりです!!今では、二作の作者となったアイラです。
人気がない!?とんでもない!!人が少ない掲示板では、このくらいでも多いですよ!
年末、どこにもいけないのですか・・・わたしの場合、まだ予定は決まってませんが、たぶん、オーエンさんと同じ、どこにも行かないと思います;まぁ、それは置いといて。
グラードン・・・わたしの好きなポケモンの一匹です♪ソーラービーム、すごい威力ですね・・・!
エックス君の秘儀も、すごそうです!!
では、これからも、応援してます☆
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.26 )
日時: 2008/12/19 21:33
名前: オーエン
情報: zc018207.ppp.dion.ne.jp
本当にお久しぶりですアイラさん。実は現状が現状なのであまりネットが使えませんでした・・・。
年末はどこにも行きませんが、まあ、たまには家で正月を迎えるのもアリかな。と思ってます(実は毎年スキー旅行で正月、家にいることがほとんどないもので・・・)
今回の話は少し短かったでしょうか・・・まとまった時間がないもので。
それはともかくグラードン(グラン)戦開始ですが・・・書いた後、しかも投稿後読み直すと・・・。
「・・・ちょっと強すぎたかな・・・?いや、両方とも。」
なんて思ってしまいました。駄文ですが、楽しんでくれて幸いです♪
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.27 )
日時: 2009/01/04 18:03
名前: ドラギース
情報: 068ctkp.ctktv.ne.jp
- 初めまして。
最初から拝見させて頂きました。
文章の1つ1つが、とても分かりやすく、小6の僕にでもとても分かりやすいです。
やはり、伝説のポケモンは強いですね〜・・・。
エックス達、頑張って!
ソラ「どっちが勝つかな?」
ダイチ「展開的にグランが負けると思うけど・・・。」
〜†余談†〜
実は、このポケモン攻略の部屋には、5ヶ月程前から居たのですが、小説を始めてみました。
3ヶ月程前からスレを立てていますが・・・。
でも、スパムとかが居て、迷惑です。
何だか色々と喋ってしまい、申し訳ありません。
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.28 )
日時: 2009/01/05 15:17
名前: オーエン
情報: zf202197.ppp.dion.ne.jp
- コメント、ありがとうございました!
予想どうり、年末はどこも行けなかったオーエンです・・・。
そうですね・・・小説の展開上。そうなってしまうのはいたしかたないですが。期待してくださいね♪
X「主人公死なせる小説は無いと思うが?」
げげっ。
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.29 )
日時: 2009/02/07 22:07
名前: オーエン
情報: zh173248.ppp.dion.ne.jp
- 第十四話〜記憶〜
シエルは自分の眼を疑った。エックスの身体能力の高さは知っていたが、いくらなんでも氷を手に形成して刃を作るとは考えてもみなかったからだ。
「エックスさん。あなたいったい・・・。」
「聞きたいことがあるなら後だ。今はこいつを気絶させるなり、なんなら氷漬けにしてでもいい。落ち着かせてからだ。」
バキン!
グランは凍った腕を地面に叩きつけて砕くと、再びエックスに襲いかかった。しかし。
キン、カキン。
信じられないことに、グランが攻撃の態勢をとる前には懐に飛び込み、今度は足を凍結させ、巨体が前のめりになる。そして。
「いい加減寝てろ!」
そのまま飛び上がると一時的に刃を解除しグランの顎に思い切りパンチを打ち込んだ。
「ゴアアアア!?」
頭に衝撃を受け、パニック状態になったグランはいきなり地面を踏みならし始める。と、同時に床が振動し始めた。
「エックスさん!こっちへ!」
エックスが声に気付き。近づこうとした瞬間、天井が崩れ、大量の岩が落下してきた。
「チイッ!」
落ちてくる岩石をかいくぐり、シエルの元にたどり着くと。シエルは自分とエックスを覆う形で「まもる」を発動させ。岩を防いだ。
その間、岩はグランにも当たっているが、まったくひるむ様子はない。
「くそ・・・。不死身かよ、あいつは!」
「あ・・・まずいです。もうもちません・・・!」
次の瞬間。天井が崩れ落ち、巨大な岩石がグランに命中し、わずかにひるみ、地震が止まった。
「今しかない!シエル、あられを降らせられるか!?できるならいますぐやってくれ!」
「は、はい!」
洞窟内を照らしていた光が弱まったと思うと、パラパラとあられが降り始めた。
「少しの間・・・頭冷やしやがれ!」
ゴウッ
すさまじい突風と共に大量の雪と氷がグランに叩きつけられ。一気にグランの体を凍りつかせ始める。
いくらもがいても全身に常時冷気を浴び続ければ伝説の存在であってもひとたまりもない。数秒後にはすっかり氷漬けだった。
「ふう、こんなもんだろう。シエル、今のうちに回復させて気持ちを落ち着かせられるか?」
「はい、眠っているのと同じ状況ですから。可能だと思います。」
という会話をしていると。急に何かが天井の穴から落ちてきた。とっさに身構えるが、落ちてきたものも。エックス達も、お互いの姿を確認すると、そろって言った。
「「「あ・・・。」」」
落ちてきたのはギースだったからだ。
その後、ここに来た本当の目的と。シエルの正体も説明し。(というより見た瞬間に分かっていたらしい)グランが回復するのを待った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハザマの中心に存在する城。『刻夜城』の城下にはこの世界唯一の町があり、ポケモンも住んでいた。
ルキフェスはかつてここで生まれ。そして捨てられた。
珍しくもないことだった。この世界は格差こそないものの逆にあまり生活に余裕があるという訳ではなかった。
この町にはここで生まれた者の他にもごく稀に起こる空間の歪みに落ちてここにたどり着く者もいる。
大抵の者はこの世界に適応して生活ができるが。幼い者に生きる術は無かった。
そのためかつては町の中には一人ぼっちの子供を連れてきて育てる施設があった。しかし、今は施設の管理をしていた女性が行方不明になったため、空家同然の状態だった。
そしてルキフェスはドアを開けて施設跡に入った。彼もかつてここで育てられていたのだ。
「・・・母さんはまだ帰っていないか。」
ルキフェスはぽつりと呟き。壁に掛けてある一枚の大きな絵を見つめた。
かなり劣化が進んでいるため、見にくいが。幼い頃の自分。その隣で多くの子供に囲まれて微笑んでいる一匹のゴーストポケモン。
その絵の中の、赤いマフラーを首に巻いたニューラの姿を見たとき、自分の親友だった少年の事を思い出した。
「アトラ・・・あれはやっぱりお前なのか?」
答える者は誰もいなかった。
・あとがき。ちょっと遅れましたが。これにて十四話終了。中途半端ですみません・・・。
お知らせ。なぜか話数を間違っていたので修正。すみませんでした

Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.30 )
日時: 2009/01/18 09:58
名前: moko
情報: fl1-122-130-137-62.tky.mesh.ad.jp
- 初めまして。
今日初めて掲示板にやって来た者です!
小説読ませていただきました!
登場人物からの設定、そしてストーリーもとても上手です!
自分も小説を書いているので色々勉強になります!
これからも頑張って下さいね!
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.31 )
日時: 2009/01/18 18:43
名前: オーエン
情報: ze172008.ppp.dion.ne.jp
mokoさんはじめまして。そしてコメントありがとうございます!
mokoさんが小説をここで書き始めたときは応援させてもらいます♪
十二話、微妙なところで止まってるので、早々と更新したいとおもいます。
それではお楽しみに&楽しみにしてます。
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.32 )
日時: 2009/02/08 12:09
名前: オーエン
情報: zf203111.ppp.dion.ne.jp
- 第十五話〜黒い死神〜
数時間後、傷の治療も済み。グランはゆっくりと体を起こした。
「うぅむ・・・最悪のめざめだ・・・。」
「目が覚めましたか、グラン殿?」
意識が戻ったグランにシエルが声をかけ、近づく。
「おお、貴女が現在の聖獣か・・・もしや、そちらに攻撃をしかけてしまいましたか・・・?」
「おかげで死にそうになった、何があったか説明してもらいたいところだ。」
エックスが少し疲れた表情で付け足す。
「これは失礼しまた・・・何があったといわれてもかなり曖昧にしか覚えていませんが・・・ぼんやりと何者かに攻撃を受けたのは覚えております。黒い四本足の者たちが攻撃をしかけてきました。」
ギースは疑問に思い、ちょっと。と尋ねる。
「いくら一対複数の状況になったとしても、神話の存在であるあなたがボロボロになるほどの相手ではないのでは?」
「確かに・・・いくらグラン殿が寝ている間に攻撃を受けたとしてもあまりに傷が深すぎます。」
エックスも肯定の意思を見せる。
「・・・確かに普通の相手ならば何ともなかったでしょう。現にあの傷は集団によってつけられたものではありません・・・たった一匹の、あの死神のような者によってつけられたのです。」
「「「死神??」」」
三人は同時に口を開いた。
「はい。その集団の中に一匹だけ、桁違いな強さを持った者がいたのです。まるでマントのような黒い毛をなびかせ。紅く染まった鎌を持った死神を思わせる風貌の者が。どうやら指揮をとっていたようです。自分の部下達が三分の一ほど戦闘ができる状態でなくなったとみるや怪我をした部下をつれて逃げて行きましたが・・・・・・多分あのまま続けていれば私は死んでいたかもしれません。」
「・・・いったい何者なんでしょうか?それに何故グラン殿の命を狙って・・・。」
シエルが深刻な面持ちで思考していると、グランが逆に尋ねた。
「そういえば、何故ここに?」
「ああ、そうでした。グラン殿、この戦争には何か裏があると神はおっしゃりました。そのことで、この戦争についてどう考えますか?」
「むぅ・・・そうですね・・・両国の王の様子がおかしくなったのがほぼ同じ時期であると風の噂で聞き、大臣も変わったらしいです。そこが怪しいと私は考えますね・・・しかし私は頭を使うのは得意ではないもので・・・カインの意見を参考に・・・そういえば聖獣殿。私が攻撃を受けたなら、カインも攻撃を受けているのでは?」
「・・・・・・あ。」
しばらく沈黙が続く・・・。
「って、黙ってる場合かシエル!急いでカインの所に行くべきだろ!」
「はぅ!そうでした。しかしどうやって行きましょうか?私だけならともかくカインの住んでいる海底洞窟は海のとんでもなく深い所なんです。ハンテールとかサクラビスが住むような。」
「とんでもない所にあるんですねぇ。海底洞窟って。」
万策尽きるというのはこういう状況なのだろう。
「海底洞窟周辺はカインの部下が守っているからそう簡単には突破できないとは思いますが・・・そういえば、カインを祭る祠には『水のハーモニカ』というカインの力のこもった楽器があるのですが。聖獣殿、それで何とかできませんか?」
「他に手段が無いのなら、それしかありませんね。どこにあるのですか?」
「ここから東に行った、海底洞窟の水域に接した岬にあります。急いでください!」
グランが叫ぶのと同時に三人は光に包まれ。地上に上がって行った。
あとがき
今回進展が少ないなあ。(いつもだろ)
会話が多くて見にくいです、本当にすみませんでした。

Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.33 )
日時: 2009/02/18 20:44
名前: タロウZ
情報: softbank220019051038.bbtec.net
- 小説拝見させていただきました。
最近小説を書き始めた身としてはとても勉強になります。
戦闘の描写とっても上手です、参考にさせていただきます。
応援してます。
あっと、自分の小説も読んでみてくださいね。
Re: 黒き傭兵とゆれる世界( No.34 )
日時: 2009/02/19 00:28
名前: オーエン
情報: zg205165.ppp.dion.ne.jp
はじめまして、タロウZさん!
うぅ・・・こんな文章力に欠ける僕の小説も、読んでくれる人が増えてきたみたいでうれしいなぁ・・・。
最近ちょっと忙しいのですぐにとはいきませんが、ぜひ読ませてもらいますね。
コメント、ありがとうございました!
いれて!( No.35 )
日時: 2012/07/28 06:27
名前: 亜美
参照: http://sns.44m4.net/
情報: 100.96.3.110.ap.yournet.ne.jp
- レベルの高い女の子います(*´ェ`*)☆ http://fgn.asia/
女性募集( No.36 )
日時: 2012/10/13 18:59
名前: 由美
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